寿命がくるまで死にません

@junishizumi ライター・漫画家。2012年「まんがくらぶ」にてデビュー。エログロ悪趣味については河津るみ名義を使用。@rumikawatsu

こんな夢を見た

 

f:id:chan-aka:20170926192458j:image

f:id:chan-aka:20170926192502j:image

f:id:chan-aka:20170926192504j:image

f:id:chan-aka:20170926192510j:image

f:id:chan-aka:20170926192513j:image

 #夢十夜 #鴨川シーワールド #漫画 #マンガ

 

 

おクスリの時間ですよ!vol.13

f:id:chan-aka:20170915130214j:image

#マンガ  #漫画  #ギャグ漫画  #ギャグマンガ  #コミックエッセイ

河津るみの実録・アナルセックス入門 番外編

f:id:chan-aka:20170914092128j:image

#アナルセックス  #アヌス  #アナル  #危ない1号  #コミックエッセイ

秋ですね…

f:id:chan-aka:20170913134731j:image

#四コマ漫画  #四コマ  #危ない1号

おクスリの時間ですよ!vol.12

f:id:chan-aka:20170912152719j:image

‪おクスリの時間ですよ!vol.12 #マンガ #漫画 #ギャグ漫画 #ギャグマンガ #コミックエッセイ #四コマ漫画 #四コマ‬

 

猫はバナナを食べない(1360文字小説)

叔父が死んだ。
父よりも母よりも、私のことを理解してくれた叔父だった。
叔父は古い平屋と五匹の猫を遺して死んだ。
私がその家に住み、五匹の猫の世話をすることになった。

叔父は孤独な人だった。
友人はいたし愛される人であったが、他人と交わることでではなく、自分の中に降りていくことで自分自身を充たそうとする人だった。

私もまた、孤独だった。誰とどこにいても、いつも一人だった。だからこそ誰とでも、どこででも暮らすことができた。

だから、叔父が死んだと聞いたとき、ルーマニア人の歳下の奥さんが故郷に帰ったと聞いたとき、群馬の家を誰かが継いで猫の世話をしなければならないと聞いたとき、私はすぐに会社に退職届を出した。そして数日のうちに都内のアパートを引き払い、荷物を処分し(それは驚くほど少なかったが)、大きめのトートバッグに代えのTシャツと下着を数枚だけ詰め、叔父の遺した家へと向かったのだ。

私は小さい頃は生き物が大好きだったが、大人になってからは動物を飼った経験がほとんどない。数年前に一度だけ、意を決して小鳥を飼ったのだが、飼い始めて一年半後のある日、私のふとした不注意で逃がしてしまった。私は自分以外のいのちに責任を持てないのだと痛いほどわかった。それ以来、生き物を飼うことはやめようと心に誓っていた。こんな風にまたいのちに責任を持つことになるとは思わなかった。

叔父は家と五匹の猫だけではなく、猫たちにまつわる事柄が詳細に記録されたノートを遺していた。そのマニュアルのようなノートを叔父の使い古された書き物机の中から見つけたとき、私はとてもホッとした。これがあれば、あたらしい五匹の同居猫たちと、これからうまくやっていける気がしたのだ。

私はそれをこの王国の聖典に定めた。私と五匹の猫の王国だ。その聖典を読めば、五匹の猫の名前や特徴だけでなく、性格や癖や、餌の種類や銘柄の好みや、撫でられると喜ぶ身体の箇所まで、だいたいのことがわかった。

五匹の猫はみな個性的だった。
一番年長で貫禄がある鯖柄がサチ。神経症な縞模様のケイちゃん。臆病なチビは黒猫。鷹揚でマイペースな白黒のクリちゃん。飄々としてしなやかな身体つきのたまは白茶である。

仏壇に飾られた祖母や祖父の遺影の中に、私は叔父の遺影を見つけた。フォトフレームの中の叔父は、生前と同じような、諦めたような目をしてわらっている。私の母も、叔父の兄である私の父でさえも、こんな風には笑わなかった。うまく表現できないのだけれど、それはとても穏やかな笑いかたで、私は小さい頃から叔父のその顔をみると、いつも深く安心することができた。

仏壇にはバナナが供えられている。お供えとしては不適切なほど黒く変色し、南の甘い匂いを畳の部屋に漂わせている。奥さんがルーマニアに帰る前、最後に供えたものかもしれない。

私が食べるにはかなり腐りすぎているそれの皮を剥がすようにむき、ぐずぐずになった果実をピンク色の猫の餌用ボウルに入れる。

五匹の猫はボウルの置かれる音を聞きすぐに集まって来たが、中身の匂いを嗅いだり少し舐めたりして、ただちに解散していった。

私は叔父の書き物机のペン立てから鉛筆を一本取り、ノートの新しいページを開いた。

「猫はバナナを食べない」

そう書く私の右手の甲を、サチの背中の毛が優しく撫でていった。